2015年7月7日火曜日

「ウルトラシャルソン」走って、出会って、食べて……旅を楽しみながら被災地を応援する


石巻市役所前で。さあ、スタート!

もくもくと走る時間もある。

7月3、4、5日と、「第三回ウルトラシャルソン」が開催された。
「ウルトラシャルソン」は走ることを通じてまちを再発見し、人と人とをつなげるランニングイベント「シャルソン」の仕組みを使った東北応援プロジェクト。走りながら、被災した土地を知り、人を知り、その魅力をネット/SNSを通じて発信していく。決して早さを競うものではない。その土地や人とコミュニケーションをとりながら参加者それぞれ無理の無いペースで進む。
昨年開催された第一回、第二回では、釜石〜石巻間を走り、その土地でまちづくりに関わっている人たちに話を聞き、交流した。
第三回目、今回の行程は、石巻から少し北上して、女川、雄勝まで走り、最終的には東松島までのランニング。

今回は、二日目の夜、少し顔をださせてもらった。場所は石巻市雄勝町大須の「亀山旅館」。トークは、「雄勝まちづくり協会」の畑山泰賢さん。

2日目最終到達地点の亀山旅館で仲間を待つみなさん



ウルトラシャルソンは、走ること、旅をすること、人と出会うことを楽しむスポーツイベント。数十人の単位でゆったり走るので、人との距離が近くなる。匂いや風を感じ、風景も車からみるものと人の目線から見るものでは別物になるという。

全員到着した後はお風呂で汗を流し、また濃密な時間がはじまる。
食事は昭和の雰囲気が色濃く残る大広間で。隣は郡山から来た寿泉堂総合病院、釣りサークルの皆さん。 震災前の土産物屋、雄勝硯の店、飲食店が並んでにぎわっていた町を知っているので、今の状態を見ると涙が出てくるという。思いがけぬ交流もあった。

雄勝に向かう道の両側の杉林は鬱蒼としている。明らかに間伐が必要だ。
最近、木こり講習にも参加しているので、思わず山に入りたくなる

寿泉堂総合病院からの皆さん。19年前から毎年この大須に来ているという


「雄勝まちづくり協会」の畑山泰賢さんのお話には、
寿泉堂総合病院からの皆さんも聞き入っていた


雄勝まちづくり協会の畑山さんからは、震災から今までの町の状況をうかがった。町が流され、人口が激減するなか、コミュニティの再生が叫ばれても、皆が集まる場所さえ無かった時に、「公民館」というどこにでもある機能を行政が担えないのであれば、民間でサポートしようと2012年8月より国内外の支援を受け「オーリンクハウス」http://www.o-link.org/
の建設がはじまった。「オーリンクハウス」には、絵本等も置く会議室、カフェ、ホール、プロジェクターの貸し出しなど、公民館がもっている機能をもち、映画鑑賞会、落語会、音楽会、講演会など、人が集まり易いイベントも企画している。運営は、NPO法人雄勝まちづくり協会。畑山さんは、雄勝は100年後の日本の姿を現している最先端の町だと考えている。少子高齢化、人口減少がすすむ中、問題は、地域の人が「どう豊かに生活していけるか」だと考える。私たちは、社会の変化の中で新しい価値観を見つけ出していく必要があるのかもしれない。

参加者は、 IT関係、ゲストハウススタッフ、レストラン経営者、企画制作に関わる人など、様々な職業に従事している。一言では伝えられない仕事もある。ウルトラシャルソンを機会に地域とつながって地域起こしを手伝いたいという気持ちを持っている人もいる。
しかし、基本は楽しむこと。 「ウルトラシャルソン」は気負わない。参加者は、走ること、食べること、人との出会い、そして旅そのものを楽しんでいる。


ウニ、ホヤ、カツオ、どれも肉厚で旬!
今、三陸沿岸部のどこで食べてもまずハズレはないだろう





このウニはまだ動いていた


参加者は合間をみて、facebookやtwitter、ブログなどで情報発信をする。それを見た人からは、未だに裸の土地が広がっているのに驚く声も多いそうだ。
外から見た状況はそうでも、土地の人に話を聞いていると、最初の頃とステージが変わってきているのだと思った、という声もあった。「被災地」ということから離れて、地域の魅力を伝えたいという地元の人の想いが伝わってきたという。実際足を運んで人と触れ合わないと伝わらないこともあるということをウルトラシャルソンの参加者はよく知っている。

代表の佐谷さんからは、これから、被災している茨城まで南下し、折り返す予定だという話をうかがった。まだ足を運んでいない青森にも行きたいという。きっかけは何であれ、被災地に足を運び、声を聞くことは、被災地を勇気づけることになる。


被災地では、本当に大変なのはこれからという声をよく聞く。建築物などハード面での変化はこれから大きくなるだろうが、それは必ずしもそこに住む人の心の高揚につながるとは限らない。ウルトラシャルソンのような気負わず息の長い関わりが今後はもっと必要になるのかもしれない。

今回の行程は以下。


Day1
石巻駅集合
 牡鹿半島「はまぐり堂」http://hamagurihama.com/cafe/
 女川駅(ゆぽっぽ)http://onagawa-yupoppo.com/
女川 トレイラー宿泊所 El Faro http://elfaro365.com/index_pc.php

Day2
石巻市雄勝町 ナミイタ・ラボhttps://www.facebook.com/namilab
おがつ店こ屋街 http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10452000b/-kanko/-kankomap/d0290/20130225160732.html
 亀山旅館(「雄勝まちづくり協会」 (「オーリンクハウス」http://www.o-link.org/ 運営)畑山さん講演)

Day3
モリウミアス http://www.moriumius.jp/#whats-new
大川小学校跡地
 かき小屋渡波 http://yakigaki.com/
(木の屋石巻水産 http://kinoya.co.jp/eccube/ 松友さん講演 )
サンファンビレッジ http://www.sunfun-village.com/

Day4
東松島駅

ちょいと塩竃神社でお参りに

次回、第4回目は東松島から出発。8月後半に予定されている。

(またfacebook等でお知らせいたします)



by: 河崎清美

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